ファイナルファンタジー7リメイクを難易度NORMALで35時間かけてクリアしました。トロコンには65時間以上かかり、2周目にHARDでプレイすると戦闘に歯応えがあり面白いゲームでした。
名作RPGのリメイク
初代プレイステーションで発売されたファイナルファンタジー7のリメイク作品です。原作はシリーズの中でも根強い人気を誇り、関連作品も多数発売され長年リメイクを待ち望まれていました。
原作とは別物と思えるほどグラフィックが進化しており、戦闘システムも従来のコマンド式からシームレスなアクションRPGへと変更され、BGM以外は意外と懐かしさのようなものは感じず、単に画質を向上させただけでなくゲームプレイも現代風に変化しています。
チャプター制で進行していくストーリーには、多数の新キャラ・追加・改変シーンがあり、リメイクというよりリブートの印象が強いです。
舞台はミッドガル
ミッドガルは原作では数時間で脱出することになりますが、リメイク版は1本のゲームとして十分に遊べるプレイ時間になるように、マップは造りこまれクエストやミニゲームなども追加されています。
グラフィックはミッドガルの景色がFFらしく美しく、序盤はボイス付きになったキャラ達の会話を聞きながら移動するだけで、楽しく感じるほどでした。
ミッドガルだけで1本のゲームとして成立するように造っているため、ある程度は仕方ないと思いましたが、ダンジョンなどの攻略はそれなりに時間をかけることになりました。マップのデザインは細長い通路や梯子も多く、移動もゆっくりになるためテンポはそれほど良くなく、スイッチ操作系のギミックがやや多いのも気になるところです。
クエストは敵討伐や探し物などのお使い系でしたが、メインストーリーがほぼ一本道なこのゲームでは、買い物やクエスト消化、闘技場に挑戦するなど自由行動できる時間が楽しいものでした。クエストには選択肢によって分岐するものもあり、周回で違った展開が見られるのもいいと思います。
コマンドとアクションを融合させた戦闘システム
戦闘システムは通常武器と装着したマテリアによる魔法やアビリティを組み合わせて戦う分かりやすいものです。リメイクではARPGになり新要素も多数あることから、難易度NORMALでも操作や戦闘システムに慣れるまでは難しく感じました。
ARPGとしては回避が難しめで、相手や状況によってはガードする方が有効でした。溜まっていくATBゲージからコマンドを選択するというコマンドRPGとしての側面も持ち、これらを複数のキャラを切り替えながらHPやゲージ管理を行っていくため操作はそれなりに忙しいです。
特にボス戦では何となくボタン連打しているだけでは勝てず、敵をバーストさせることが重要です。バーストさせると敵に一方的に攻撃でき、ダメージ倍率も上げることができるFF13のブレイクに近いシステムです。このバーストシステムを採用しているせいか、ボス敵の体力は多く、戦闘は長期戦になりがちでした。
バーストシステムは高ダメージを与えることができ、爽快感を得られるいい戦闘システムだと思います。しかしバーストさせることに成功し高ダメージを与える機会が来ても演出が入り、バースト状態がリセットさせることがよくあるのが残念な点で次回作は改善して欲しいところです。
デザインも美しい成長要素
成長要素はキャラだけでなく、マテリアや武器にもレベルがあり、どれも分かりやすく稼ぎプレイも特に必要ないバランスのいいものでした。ストーリーやクエストに沿って戦闘しているだけで、ゲームクリアまでに強くなっていくことを実感できるものです。
マテリアによって自由にプレイスタイルや役割を決めることができるのは、このゲームの面白い所でもあります。しかし終盤にパーティ変更が多く、マテリアの付け替えなどが面倒になり、入手手段の限られる有用なマテリアなどの扱いに悩みました。原作にあったマテリアを最大まで成長させると分裂してもう一つ手に入る要素は残しても良かったと思います。
武器はスキルブックで強化していくこともでき、HARDでしか入手できないものもあるなど、やりこみ要素にもなっていました。どの武器も強化すれば強く、見た目が気にいっている武器を最後まで使用することもできます。
多数のミニゲーム
FF7はRPGとしては多数のミニゲームが実装されているのが特徴的な作品であり、ミッドガル編までのリメイクでも既に6種類のミニゲームがあります。しかし面白かったのは点数付きのボックスを破壊するクラッシュボックスと他のゲームでもよく見かけるダーツぐらいでした。
画面の表示に合わせてボタン入力をするスクワット、懸垂、ダンスなどはシビアな操作が求められます。ダンスの演出は思ったより凝っていましたが、懸垂とスクワットは報酬がなかったら最後までやる気にならないほど地味でそこそこ難しさもありました。タイミングよくボタン押す操作はダンジョンのギミックにもあったせいか飽きが回るのも早いです。
原作の目玉でもあったバイクのミニゲームは、リメイクではストーリー中に2回必ずプレイすることになります。原作のゲーム性はそのままに演出やグラフィックが強化されているので初見はなかなか楽しめました。プレイ時間が長めで若干だれますが、2周目からはスキップすることもできます。
ミニゲームに関しては寄り道要素としては悪くなく、ゲーム全体のボリューム不足も補っていますが、どれも一度プレイすれば十分な内容でもう少し簡単でも良かったと思いました。
3部作構成 次回作はリバース
FF7のリメイク作品は全3部作になり、次回作のサブタイトルはリバースになることが発表されました。分作になると発表されてから、長い年月が経ち、何部作になるのか分からず、発売スケジュールも見えなかった状態でしたが、3部作で収まることになったのは良かったと思います。
リメイク作品が分作の形態で発売されていくのは聞いたことがなく、そもそもFF7はミッドガル脱出してからの方が面白い作品でした。またPS5の移植や完全版なども出ることが予想されたため、原作は好きな作品でしたが、ミッドガル編だけではなかなかやる気になれませんでした。
ようやく今作をプレイしてみて、1作で完結すればとてつもない傑作になった気もしますが、分作だからこそできた部分も多数あります。現時点では分作で良かったかどうかは、3部作全てをプレイしてみないと分かりません。1本の作品としてみても面白く次回作に期待できる内容だったのは確かです。
評価
8 / 10
グラフィックは文句の付けようがなく、戦闘システムも細かい不満はあったものの気にいりました。
ボリュームは、クリアまでのプレイ時間という点では問題のないゲームでしたが、ほとんどのRPG作品では30時間以上もプレイすれば、パーティキャラも揃い自由に行動できるようになるものです。今作は原作の序盤であるミッドガルまでということもあり、プレイアブルキャラが4人と少なく、広いフィールドを走り回ったりできないのが物足りなさを感じます。