Life Is Strange レビュー

ゲームレビュー

初回のクリア時間は15時間前後で、2周目をトロフィーを獲得しつつ合計25時間ほどプレイしました。
数年前にプレイしたときは、グラフィックが気にいらず序盤で辞めてしまいましたが、最後までプレイしてみると途中で辞めてたことを後悔するほどいいゲームでした。

バタフライエフェクト風のアドベンチャー

選択肢によって展開が変化していくアドベンチャーで、主人公マックスの時間を巻き戻せる能力で何度もリプレイが効きゲームオーバーになることがないのが特徴のゲームです。
プレイヤーが操作するキャラが選んだ行動が物語に影響を及ぼし、映画やドラマの中の世界をプレイしている感覚はデトロイト ビカム ヒューマンなどに近く、Quantic Dreamの制作しているアドベンチャーが好きな人には合うかもしれません。
シナリオは全5エピソードで一つのエピソードが2、3時間でクリアできるボリュームです。どのエピソードも良質で先が気になるところで区切られ、エピソードごとにスタッフロールや前回までのあらすじが流れるドラマのような造りでした。

違和感のあるグラフィック

ロード時間も短く、操作性も良好ですがグラフィックはあまり良くありません。PS3とPS4の縦マルチであることを考慮しても同年代の作品と比べて見劣りし、キャラがアップになったときは特に違和感があります。
とはいえ画面から受ける印象はそれほど悪くなく、例えばイベントシーンでは字幕フォントは普通ですが、主人公の日記や独り言では可愛らしいフォントになります。またBGMやカメラワークも良く、ゲーム全体のノスタルジックな雰囲気造りが上手でした。そのせいかプレイが進行していくと次第にグラフィックの粗さも気にならず、綺麗な景色だなと思えるシーンも多かったです。

選択肢が未来を決める物語

選んだ選択肢によって未来が変わっていく分かりやすいものであり、難しいQTEや複雑な操作も要求されずプレイしやすいです。多数の選択肢があり、どういう結果を招くかしばらく進めないと分からないこともよくあります。似たようなシステムを採用しているゲームはたくさんありますが、シナリオが良く、早く先の展開を見たいと思わせる造りは見事でした。
時間を巻き戻せるシステムとも相性が良く、キャラのリアクションを見て納得の行く選択にやり直したとしても、後に思いもよらぬ結果になったり、別の選択肢を選んだ展開も見てみたくなります。

時間を巻き戻せる能力

時間を巻き戻すことのできる能力は、あらゆる場面で使うことになり、ストーリー上でも重要な要素でした。最初は危険な状況や重要な判断を迫られる場面でも、簡単に巻き戻してやり直すことができるため緊張感が生まれなくなると思いましたが、そんなことはありませんでした。
この能力で巻き戻せるのは直近の出来事だけで、ストーリー中には使えない状態になることもあり、思ったほど万能ではありません。ほとんどは進行不可な状況に陥ったときに、巻き戻して次は上手く立ち回るようにする補助的な要素です。
選択肢を選んだ結果が気に入らなければやり直すこともできますが、先が読めない展開が待っているので、何度やり直しても物語が退屈になることもないです。

周回プレイ、やりこみ要素

エンディングは2種類だけですが、2周目のプレイも楽しめるものでした。初回プレイとは違った選択肢を選んだ結果、人間関係にも変化が生じ、意地悪だと思っていたキャラに好印象を持ったり、同じ場面でも別の解決法が見つかることもあるなど新しい発見もたくさんありました。
やりこみ要素は特定の場所で、写真を撮影できることができます。これはトロフィーの獲得条件にもなっており、興味のある人は集めてみるのもいいかもしれません。撮影ポイントは分かりにくい場所にあったりしますが、それほど時間もかからずトロコンもしやすいゲームです。

評価

8 / 10

映画のバタフライエフェクトをゲームにしたような作風で、時間を巻き戻せる能力がシナリオにもゲームプレイにも上手く機能していました。後半の謎解きやステルス要素はあまり好きにはなれませんでしたが、外国の高校生の奇妙な日常を疑似体験できる良作です。