真・女神転生Ⅴ レビュー

ゲームレビュー

初回は難易度ノーマルでプレイし、クリア時間は55時間でした。2周目はハードでプレイしましたがデータを引き継いで寄り道しなければ10時間もかからずにクリアできます。

崩壊から始まるダークRPG

真・女神転生5は悪魔が徘徊する崩壊した東京を舞台にしたRPGです。ダークで不気味な世界観と悪魔を仲魔にして行う戦闘が特徴で、キャラやストーリーが深く語られるタイプのRPGではなく、難易度も高めなので人を選ぶゲームであることは確かです。
このシリーズは前作の真・女神転生4が携帯機のDSで発売されクオリティが後退してしまいましたが、今作はswitchで発売ということで、最新のゲームには劣るものの、グラフィックが一定レベルまで向上しており、ナンバリングの最新作としては満足いく水準になっていると思います。

高難易度のプレスターンバトル

このゲームの戦闘難易度は高く、難易度ノーマルでも、一般的なRPGのハードに相当する難易度だと思いました。今作も弱点を攻撃すると行動回数が増えるプレスターンバトルで、弱点や攻撃パターンの分からない初見の敵に苦戦したり、先制されると一方的に攻撃されパーティが壊滅することもよくあります。
新しい要素としては、マガツヒスキルというゲージがたまったら発動できるスキルがあります。攻撃、回復、レベリングに使えるものなど種類もなかなかで、敵も使用してくるため対処や回復などに追われることになりました。プレスターンバトルも派生作品に多く採用され、若干マンネリしてきたので、単純に弱点を突けばいいだけの戦闘になってなかったのは良かったと思います。

探索感強めのフィールド

フィールドは広大で、多数の収集物やアイテムが配置され、サブクエストも受注できるのでプレイ時間の多くを探索に費やすことになりました。ダッシュやジャンプができるようになり、セーブポイント間でファストトラベルもできるので、フィールド移動自体は快適です。
最初にプレイしたときはこの広大なフィールドが高難易度RPGである女神転生とは相性がそれほど良くないと思いました。序盤のエリアでも勝つことが困難な強敵が配置され、高難易度のクエストも受注できてしまい、何度も全滅してしまいました。オートセーブやリトライなどの機能もなく、クエストの推奨レベルの表示もないのでこまめにセーブしておかないと泣きを見ます。最近のゲームに慣れていると、不親切に感じることもありますが、この容赦の無さが女神転生らしくて嫌いにはなれませんでした。
高低差のある入り組んだマップなので目的地になかなかたどり着くのに苦労しますが、探索していると何かしら発見があり、フィールドをさまよっている時間はあまり無駄にはなりません。新しいエリアに入ると、新しい仲魔との出会いや新スキルの入手によってパーティが分かりやすく強くなっていく感覚があるので、早く先に進めたくなります。

利便性の向上した悪魔の育成と合体

優れたデザインの悪魔を仲魔としてパーティに編成することができ、悪魔同士を合体させて強い悪魔を作製する面白さは今作でも変わりませんでした。
今作の悪魔のカスタマイズは写せ身という新要素で他の悪魔のスキルを付け加えることができます。写せ身は入手手段も面倒で一つしか持てない所持制限もあり、使い勝手はそこまでよくありませんが、悪魔のスキル構成を好みにすることも難しくはありませんでした。
悪魔の育成も簡単で悪魔のレベルを上げるアイテムなどは大量に手に入り、気に入った悪魔は最後まで使うことができますし、シリーズを重ねるごとに悪魔周りのシステムは便利になり完成しています。

評価

7 / 10

序盤はやり応えのある戦闘と魔界の探索が夢中になるほど面白い作品です。しかし中盤からのアクション性のあるギミックダンジョンと最後のエリアは構造が複雑で分かりにくく疲れてきました。
終盤からは敵のレベルが跳ね上がり、バランスも悪くなったと思います。難易度変更やDLC購入すると楽にはなりますが、レベル補正がありレベルで結構ダメージ量が変わってくるゲームなのでレベリングにも時間を奪われました。
総合的には女神転生3の方が好きですが、今作もなかなかの良作でやってよかったと思える作品です。