Lies of P レビュー

ゲームレビュー

クリアは25時間ほどでした。

ピノキオをモチーフとしたRPG

童話であるピノキオをモチーフとした韓国産のソウルライクなアクションRPGです。他のソウルライクな作品と類似している点は多く、特にブラッドボーンの影響が強めだと思いました。
主人公がピノキオなのでキャラメイクなどはなく、イベントシーンも短めなのですぐに操作パートに入れます。全体的にゲームのテンポはよく、プレイ中のほとんどは戦闘や探索に費やすことになりました。マルチプレイなどは対応していませんが、ソロ専用RPGとしてはボリュームもそこそこあります。
特に斬新な点はなく、死んで覚えるタイプのゲームですが、ゲーム全体のダークな雰囲気造りには素晴らしいものがありました。特にデザインと音楽はゲームによく合っていて、残酷かつ不気味なピノキオの世界観が体験できます。

達成感のある高難易度バトル

戦闘は右手に近接武器と左手の義手で戦う戦闘スタイルです。操作性も悪くなくスピード感もあり、攻撃でゲージを溜めて発動できるフェーブルアーツや致命攻撃で高ダメージを与えるアクションなどは見栄えがいいので動かしていて面白いです。
操作慣れするまで難易度は高めで、特に敵の攻撃をタイミングよくガードするジャストガードは狙ってプレイするのは難しい印象でした。ジャストガードは無理して狙わなくても序盤のボス戦はある程度ゴリ押しも通用しますし、共闘してくれる助霊を呼ぶと難易度も下がります。しかし後半のボス戦は連戦も多く難易度も上がるため、敗北してリトライするストレスは大きめです。
ただこのゲームのいいところは生命線である回復アイテムが枯渇しても、攻撃しているとチャージされて補充できます。この回復のおかげで命拾いしたり逆転勝ちできることも多く、すぐに諦める必要がありません。強敵にギリギリ勝つことで得られる達成感はソウルライクらしいと思いました。

幅広いカスタマイズ

装備品の数はなかなか多く、武器の強化だけでなくカスタマイズもできます。武器の柄だけ変更することができるのはあまり見ない要素で自分好みの武器にすることもできます。
また主人公自信を強化する要素としてP機関があり、スロットにクォーツという希少なアイテムを盤面にはめ込んで能力を獲得していくことになります。このP機関の能力はどれも攻略に有用なものが多いため、クォーツを発見したときの喜びは大きく、マップを丁寧に探索したくなります。

嘘で人間性を得るピノキオ

主人公は道中に様々な場面で選択肢を迫られることになります。このとき嘘をつくか正直に答えるかで運命が変わり、エンディングの分岐にも関わります。初見プレイでは時間制限があるうえにどんな結果が待っているのか分からないので選択には迷いました。
選択肢を選ぶこと自体は特別珍しいシステムではないものの、人形であるピノキオが嘘をつくと人間性を獲得していくのは面白い設定だと思いました。嘘によってNPCの反応も変化し、拠点に飾られているピノキオの絵の鼻が伸びていくなど細かいとこまで造りこまれています。

評価

7 / 10

ピノキオ版ブラッドボーンといった感じで、ソウルライクなゲームの中でも面白い方だと思います。
マップがほぼ一本道で攻略していく形なので他のソウルライクなゲーム経験者は物足りなくなるかもしれません。よって初心者は難しいステージやボスに遭遇したときに後回しにすることができず、長時間生き詰まる可能性もあり難しく感じるかもしれません。
ただゲーム自体の完成度はとても高く、次回作や追加コンテンツなど今後の展開も気になる良作です。