戦場のヴァルキュリア レビュー

ゲームレビュー

PS4の戦場のヴァルキュリアを25時間ほどかけてクリアしました。PS3版も含めて5周ぐらいしてますが、久しぶりにプレイしても面白いと思える傑作です。

リマスターされたシミュレーションRPGの傑作

2008年にPS3で発売された作品のリマスター版で、ロードの短縮、フレームレートも上がり追加DLCも収録されています。SRPGですが、独特なグラフィックを表現するCANVASと戦闘システムBLiTZによって他のSRPGにはないオリジナリティを持っている作品です。
SRPGによくある正方形のマスに配置されたユニットを動かしていくのではなく、美しいグラフィックの戦闘フィールドをある程度自由に動かしながら、TPSのような肩越し視点で攻撃を行うのが特徴で似たようなシステムのゲームがなく、発売当時から今でも新鮮味があります。
シリーズ1作目で独特なゲームシステムが多く使われているのもありますが、難易度はやや高めだと思いました。何度かクリアしたことあるにも関わらず、ユニットの配置をミスしたり、やっかいな敵を処理し忘れたりするだけで、自軍が壊滅的な状況になりリトライすることもありました。初見だと苦戦するかもしれませんが、試行錯誤しながら上手くクリアできたときは達成感を感じられます。

独創的なグラフィックCANVAS

水彩画のように表現されたグラフィックは美しく、世の中にたくさんのゲームが溢れている中でグラフィックで個性を出せるのは凄いです。絵が動いているかのような表現は戦争をテーマにしている本作のストーリーとも相性が良く、イベントシーンが印象に残りました。
メニュー画面が本をめくりながら物語を読み進めていくようなデザインもセンス良く、シナリオと戦闘パートが面白いことから、次のページを早く読みたくなるほど夢中になってプレイできました。

斬新な戦闘システムBLiTZ

戦闘は行動ポイントであるCPと移動距離のゲージであるAPを消費してユニットを動かしていき、戦車とそれぞれ特徴を持った5種類の兵士で構成されています。基本的に戦車が強いゲームなので、戦車ばかり何度も動かしたくなりますが狭い通路は通れずCPを2倍消費し、動かすたびにAPのゲージが減っていく仕様です。よって兵士の動かし方も重要で長所短所を考えながら自分なりに上手くステージを攻略していくのが楽しいです。
SRPGとしては独特なシステムですが、よく考えられておりゲームバランスが悪いと思うこともありませんでした。最初はキャラや武器の種類の多さから複雑そうに見えるかもしれませんが、簡単なチュートリアルをこなしていくだけで理解しやすく、操作も慣れてきます。

戦況を変えるヴァルキュリア

タイトルのとおりヴァルキュリアがいるステージがあります。ストーリー中でも重要な存在で恐ろしく強く単騎で自軍を壊滅させる力を持っておりヴァルキュリアの登場するマップは高難易度です。ゲームに慣れてきた頃に登場しますが苦戦を強いられました。
このゲームが難しい理由に初期状態では敵の配置が分からないことにあります。曲がり角で出会い頭に敵と遭遇したり、草むらに隠れている敵に裏を取られたり、視認しにくい狙撃手に撃たれるなどはよくあることでした。無理だと思い再挑戦したときは敵のいる場所が分かっているため、あっさりクリアできたりします。ゲーム後半ではヴァルキュリア戦や強戦車、マップのギミックを使った戦闘も増えてくるため、初見では上手く対応できずリトライすることもありました。これらを人によって理不尽に感じるかやり応えがあり楽しめるかで評価が変わりそうです。

評価

10 / 10

独特なシステムで作られたゲームは戦闘バランスが崩壊していたり、難解でどうしたらいいかよく分からなくなりがちですが、戦場のヴァルキュリアは面白く仕上がっており、今プレイしても完成度は高く傑作だと思いました。10年以上前にPS3で出た作品のリマスターなので、グラフィックは最新作の戦場のヴァルキュリア4より見劣りしますが、気になるほどではなく、PSPで発売された戦場のヴァルキュリア2と3も据え置き機でリマスターして欲しいと思ったほどです。
昔PS3で遊んで面白かったと思った人は懐かしく楽しめますし、人を選ぶゲームですが普通のSRPGに飽きてきた人にもプレイして欲しいゲームです。