真・女神転生 Ⅲ NOCTURNE HD REMASTER レビュー

ゲームレビュー

PS4版の真・女神転生3を難易度HARDで40時間ぐらいかけてクリアしました。PS2の通常版、マニアクス、マニアクス クロニクルもプレイ済みでほぼ似たような内容のゲームを4本買ったことになります。女神転生シリーズはあまり好きじゃありませんが、このゲームは別格で記憶が薄れかけた頃に定期的にプレイしたくなるほどのゲームです。

名作RPGのリマスター

オリジナル版は2003年のPS2の真・女神転生Ⅲで後に追加要素を加えた真・女神転生Ⅲ マニアクスと真・女神転生Ⅲ マニアクス クロニクルエディションが発売されています。特にマニアクス版の2つは評価が高く、時期によって価格は変動しますがプレミア化し定価より高い価格で売っているの見かけた記憶があります。
細部が異なる複数の形態で発売されていますが、大きな違いはゲストキャラがダンテかライドウぐらいです。今作はマニアクス版のリマスターで有料DLCですがダンテとライドウを切り替え可能で、画質向上、キャラ音声も追加されているので、女神転生Ⅲを初めてプレイする人も今作から初めるのが良さそうです。
ゲーム内容は悪魔と化した少年の物語で、不気味でダークな雰囲気が漂うコマンドRPGです。特徴は人間がほとんど登場せず、悪魔だらけの崩壊した世界が舞台で戦闘難易度も高くRPG慣れした人でもよくゲームオーバーになります。万人受けはしなさそうですが、この作風に魅せられた人も多く女神転生シリーズ最高傑作だと思いました。

緊張感のあるプレスターンバトル

ペルソナやアバタール・チューナーにも採用されているプレスターンバトルが分かりやすく面白いです。敵も味方も弱点を突けば行動回数が増えて戦闘を優位に進めることができ、敵によって弱点を突けるスキルを持ちつつ、味方は弱点に耐性があるのが理想でパーティ編成を考えるのもこのゲームの楽しみの一つです。
この戦闘システムは先行側が圧倒的に有利で、上手く弱点を突いていくとノーダメージで敵を殲滅することができ爽快感がありますが、逆に先制されて一方的に攻撃されてゲームオーバーになることもよくあります。ボス戦以外でも気が抜けず、戦闘に負けると直前の戦闘からリトライすることはできずセーブポイントからやり直しなので長くセーブしていないほど緊張感が生まれていました。
理不尽に感じる死も含めて何度もリトライすることになりましたが、達成感を求めてついプレイしてしまうのはソウルシリーズに近い感覚があります。プレイ時間のほとんどを戦闘に費やしていた気がしますが古いゲームにしては戦闘はなかなかスピード感があり、ロード時間も気にならず快適でした。

理想のパーティを求めて悪魔合体

最初に手に入るピクシーは残しておきましょう

悪魔は購入したり、イベントで仲間になるのもいますが、基本的にはエンカウントした敵と交渉してパーティに勧誘していきます。そして手に入れた悪魔を合体してより強い悪魔を作成していきながら攻略していくのが重要です。この悪魔合体が面白く、ストーリーの進行状況やボス戦によって有用な悪魔は変わっていくので、クリアするまでにパーティ編成はよく変化していきました。
合体後の悪魔はスキルを引き継ぐことができ、PS2版ではランダムでスキルを引き継ぐ仕様だったため、理想のスキルを持った悪魔を作成するため何度も合体キャンセルしていた記憶がありますが、アップデートでスキル選択できるようになり、あのキャンセル作業から解放されたのは嬉しいことです。
悪魔のデザインが気に入っていたり、長く活躍してくれて思い入れのある悪魔は合体に使わず残しておきたい気持ちにもなりますが、ゲームの難易度も高く悪魔の所持制限もあるため強パーティを目指していると段々とそんな気持ちも薄れてより上位の悪魔のための生贄となりました。
一度仲魔にした悪魔は悪魔全書から有料で手に入りますし、合体に関してはメニュー画面も分かりやすく気軽に行えます。次々と合体して新しい悪魔や合体事故によって意外な悪魔との出会いがあるのもこのゲームの面白い所です。

周回プレイも楽しめるマルチエンディング

マルチエンディングを採用しており、ゲーム内の選択肢によってエンディングが変化し、また選んだ難易度や作成した悪魔によってプレイ感覚も大きく変わります。アマラ深界などのやりこみ要素も豊富で1周では全て遊び尽くすのが難しく、周回プレイも楽しめるゲームになっています。
しかし様々なギミックと複雑な構造のダンジョンが多く、苦戦してクリアしても次にどこに行っていいか分かりにくさもあり、目的地は教えてくれるもののどこがどこに繋がっているかよく分からず、行き方に迷うことが何度かクリアしたことのあるゲームにも関わずありました。移動と難易度によって1周するだけで疲労感を感じ、ある程度期間を置かないと2周目には行く気にならないゲームですが、たまにはこういった歯応えのあるRPGもやってみたいと思える魅力がこのゲームにはあります。

評価

8 / 10

RPGによくある多数の武器、防具、アクセサリーなどはなく、装備はマガタマというもの付け替えるシンプルなシステムとイベントシーンも短めで展開が早い所が高難易度のこのゲームには合っていると思いました。
昔のゲームらしい不便な所がありますが、どれも許容できる範囲内で戦闘の緊張感と悪魔を合体して強いパーティを作成して攻略して行く過程が楽しく、いつまでも記憶に残るゲームです。