クリア時間は40時間でした。本作はダウンロード版が先行販売されていますが、パッケージ版には特典コードがついており、音楽とアイテムが手に入ります。
圧巻のグラフィックと手応え抜群のアクションRPG

黒神話:悟空は2000万以上の売上を記録した中国産のアクションRPG。西遊記を題材にした大作で、美しいグラフィックの高難易度アクションが特徴の作品ですが、ストーリーも難解に感じました。
西遊記の知識がないと理解が難しい部分も多かったです。主人公が喋らず、日本語音声にも対応してなかったのも原因かもしれません。
ゲームの流れは章立てで、ムービーを挟みつつ進行しますが、プレイの大部分は戦闘がメインとなっています。戦闘にやり応えはあり、ゲーム内のテキストは充実しているので西遊記物語に馴染みがあるプレイヤーならより深く楽しめると思います。
スピード感あふれる棒と術のアクション

本作の戦闘は、棒と術を駆使したスピーディーなアクションが特徴です。素早い連撃と重い一撃を使い分けることで、緩急のあるバトルが楽しめます。操作性がソウルライクのゲームに近く、覚えやすかったのも良い点です。また育成要素もスキルが多いので、スキルツリーを眺めながら、どう育成していくか模索する楽しみもあります。
この戦闘の面白いとこは強攻撃の重棍を上手く当てることになります。ゲージを消費して行うこの攻撃は隙は大きいが高ダメージで快感を得られる一方で、外してしまうとゲージを溜め直す必要があり、リスクとリターンのバランスが絶妙に設計されています。
似たような戦闘システムを持つゲームはありますが、西遊記らしい術と組み合わせて戦うのは面白いものがありました。戦いながら複数あるゲージ管理をしていくのは最初は難しいものの、この作品はボス戦が多く、自然と慣れます。
シンプルながら快適なフィールド探索

フィールドの作りはオーソドックスで、特に目立ったギミックはありません。敵の強さもボス戦に比べると易しめで、デスペナルティもないため、探索のストレスは少ないです。回復ポイントも豊富に用意されており、気軽に探索を楽しめるバランスになっています。
探索するメリットは大きく、メインストーリーとは別に進められる寄り道要素が充実しています。特定のボスを倒したり、NPCのイベントを進めたりすることで、有用な装備やスキルを入手可能です。攻略に行き詰まった際は、レベル上げを兼ねて探索すると、戦闘が楽になることもあります。
移動中には見えない壁に阻まれることがよくあり、昇り降りできる場所が全体的に分かりにくかったです。とはいえ、本作のグラフィックの美しさやロケーションの多彩さを考えると、これらの問題は些細なものであまり気になるほどではありませんでした。
評価
8 / 10
グラフィックも戦闘もハイレベルな作品でした。西遊記に興味がないとムービーのシーンがやや退屈に感じることもありましたが、アクションRPGとしての完成度は高く、戦闘の手応えや育成の楽しさが際立つ良作です。