ディオフィールドクロニクル レビュー

ゲームレビュー

クリア時間は25時間ほどでトロフィーもコンプリートできました。
アップデートで追加されたシナリオは4時間ほどのボリュームです。

進行の早い軍記SRPG

新規タイトルのリアルタイムで動くシュミレーションRPGです。ゲーム全体を通してテンポの早い作品で、簡潔にまとめられたシナリオとRTS風の戦闘は進行が早く、クリアまで一気に駆け抜けた印象です。アップデートでシナリオ追加があったものの、ボリュームはあまりなく総プレイ時間は短めでした。
ストーリーは傭兵団ブルーフォックスを中心とした軍記物で、登場人物も多く、多数の地名や勢力が出てきて複雑です。細かい用語は後にゲーム内のライブラリでは確認できるものの、淡々としたナレーションで語られるので、何が起こっているのか頭に入りにくく、あまり引き込まれませんでした。
グラフィックも戦闘中は気になりませんが、イベントシーンでは人形っぽさを感じ、一世代前な印象でフルプライスのゲームとしては物足りません。

スピーディだが単調な戦闘

戦闘は4人編成で出撃し、敵と接触すると自動で攻撃を行うリアルタイムバトルで、敵の増援も多く戦況が変化していくため、移動やスキル選択で操作は忙しめです。また戦闘時間も短く、バトルスピードも変更できるので、慣れるとほとんどのステージが10分もかからずにクリアできます。
スキルやモンスターを召喚する攻撃は演出も素晴らしく、複数の敵を巻き込んだときは爽快感もあります。ただ取れる戦法は意外と少なめで、難易度にもよりますが位置取りや進行ルートなどは深く考える必要もなく、敵の対処方法が分かれば攻略できて単調です。
レベリングやキャラの強化も面倒で固定メンバーでプレイしがちになるのも単調に感じる原因のひとつで、ギミック付きのステージや大型のボスと戦闘する序盤がピークで、飽きが回るのは早めでした。

拠点で育成

戦闘が終わるごとに拠点でサブクエストの受注や買い物など、次の戦闘の準備を行うことができます。2階建で広さもありますが、移動も行きたい場所にファストトラベルでき、戦闘の合間に一呼吸置ける空間としては悪くない出来でした。
武器の開発やキャラの育成など拠点で行うことが多く、よく見るスキルツリー型の強化で、あまり特徴はなく分かりやすいものでした。また拠点でのイベントをこなすと仲間が加入し、傭兵団のランクが上がって、少しずつ強くなっていく感覚はなかなか面白いものがあります。一度クリアしたステージも再戦することができ、取りこぼしを回収することもできる親切な造りも好感触です。

遅すぎたアップデート

このゲームはエンドコンテンツもなく、1周でトロフィーも全て獲得できるため、クリア後にやることはほとんどありませんでした。データの引き継いで周回プレイはできますが、簡単すぎて作業的になりやる人もあまりいなかったと思います。
しかし2023年3月のアップデートで新しい難易度とシナリオも追加され、周回プレイやクリア後も楽しめるようになりました。スキルの威力にも調整入っており、難易度も上がっています。
新シナリオは数時間は遊べ、難易度も高くやり応えがありました。適当にスキルを撃っていれば勝てるバランスではなく、本編が簡単すぎて物足りなかった人はやる価値があります。
リリースから半年の時間が経ちゲームの熱が冷めたころのアップデートであり、最初から入っていたら作品の印象が変わるほどの良アップデートだっただけにもったいないと思いました。

評価

4 / 10

本編のストーリーがいまいちで、仲間の脱退イベントがあるのと続編を匂わす未完のエンディングも気に入りませんでした。これなら選択肢によるルート分岐やマルチエンディングなどが欲しいところです。
アップデートで最大の問題点であったボリュームも増え、戦闘は楽しめるものの、そこまで中毒性もなく一度クリアしたらもうプレイすることのなさそうな凡作です。