ドラゴンクエストIII そして伝説へ… レビュー

ゲームレビュー

クリアまで30時間ほどで、トロフィーコンプリートまでやると50時間ぐらい遊べました。

懐かしさを残しつつ、遊びやすいリメイク

本作はHD-2DでリメイクされたドラゴンクエストIIIです。いくつかの追加要素が盛り込まれているものの、基本的なゲームデザインはオリジナル版と同様で、カメラを回転させることのない2D視点のRPGスタイルを維持しています。グラフィックが洗練されても懐かしさは残っています。
リメイク版では、遊びやすさが大幅に向上していました。たとえば、次に向かうべき目的地がマップにガイドとして表示されるため、どこに行けばよいのかわからず迷う心配はありません。また、ダンジョンの奥深くで全滅してしまった場合でも、オートセーブ機能が搭載されているため、全滅した直前から再スタートできる仕組みです。これにより、プレイ中のストレスが大幅に軽減されています。さらに、難易度調整機能も追加されているため、誰でもクリアまで辿り着けます。
現代のRPGと比べると、王道ストーリーのシンプルなコマンドRPGで古典的な作品だといえます。それでもやり始めるとなかなか面白く、シリーズの中でも大きく飛躍した作品であることが分かります。

新職業まものつかいが猛威をふるうバトル

戦闘はキャラも動かないシンプルなコマンドRPGです。エンカウント率も高く、レベリングも含めたら戦闘している費やす時間は長かった印象です。
面白いのはパーティの職業を自由に選択でき、ストーリーが進むと転職できることです。今となっては珍しくないシステムですが、ドラクエIIIの場合はレベルもリセットされることもあって、初期パーティや転職するタイミングなどを考えるのも楽しみのひとつです。
リメイク版では新職業のまものつかいは性能が優遇されていると思いました。新要素のバトルロードと連動しており、いないと不便に感じるほどで、戦闘能力も高いです。

昔ながらの冒険の醍醐味を味わえる広大なワールドマップ

この作品の良いところは古き良きRPGの特徴である「ワールドマップ」が存在することです。広大な世界を、船や飛行手段を駆使して海や空へ自由に移動できる体験は、近年のRPGでは失われがちな感覚を思い出させてくれます。特に船を手に入れると、行動範囲が一気に広がり、自由度が上がります。
街やダンジョンだけでなく、見つけにくい秘密の場所も多数あり、冒険しているだけで何かしらの発見があります。
冒険の楽しさがある一方で、これだけ広い世界での収集要素はかなり面倒でした。今作はシリーズ恒例の小さなメダル集めだけでなく、はぐれモンスター探しも加わりました。どちらも数が100以上と多いうえに、攻略情報に頼らないと見つけるのは難しいです。クリア後のボスの出現条件にもなっているため、この辺はもっと緩和して欲しかったところです。

新要素のバトルロードについて

新要素のバトルロードは各地にいるモンスターを集めて対戦するコンテンツです。ストーリー中に攻略する必要はありませんが、報酬がいいのでやる価値はあります。
寄り道要素としては今作に実装されなかったカジノやすごろくの方が面白いと思いました。内容は簡素なオート戦闘で、道中で戦闘する機会が多かったこともあって次第に飽きてきました。このコンテンツそこまで難しくはありませんが、収集と育成を兼ねたモンスター探しに労力を使います。
時間帯によって出現しないこともあり、詳細な場所が分からないことから見つけるのは難しいと思います。捕獲をサポートする職業や特技はありますが、それでも面倒です。

評価

7 / 10

フルリメイクではないので、ナンバリング最新作のドラクエ11に比べると見劣りし、物足りないところはあります。それでも現行機で遊べるようになったのは嬉しいところです。
原作は発売当時はとてつもない影響を与えた名作だったのでRPG好きなら一度はやっておきたい作品だといえます。