Life is Strange: True Colors レビュー

ゲームレビュー

初回のクリア時間は8時間ほどです。2周してトロフィーコンプリートするまでプレイしました。

シリーズ最高グラフィックで描かれる選択型アドベンチャー

ライフイズストレンジシリーズの新作で、選択肢によって展開が変化するアドベンチャーです。ストーリーは主人公のアレックスの兄が事故死し、事故に不可解な点があることから特殊能力などを駆使しながら、兄の死の真相を求めていく内容です。
開発はナンバリング作品とは別のDeck Nine Games製ですが、全5エピソードで構成されており、オブジェクトを調べたり、多数の登場人物と交流を深めながら進行していくゲーム性は変わらず、グラフィックはシリーズの中でも特に美しくスピンオフ感はあまり感じません。
作風自体は特殊能力を持つ女性主人公を操作し、ミステリー要素も取り入れ、評価の高い初代ライフイズストレンジに近いと思います。ただどちらかというとこのシリーズはナンバリングが付いているDONTNODが開発した作品の方が面白く好みです。
今作はエピソード前後に前回までのあらすじやスタッフロールの流れるエンディングもなくなりドラマ感が失われたのが残念で、スリリングな展開もなく、あまり先が気にならず物語の進行も遅く感じました。

感情を読み取れる能力

主人公のアレックスの持つ能力は人や物に宿る感情を読み取れる能力です。ストーリー中に能力が発動したときは世界観も共有し、見えている景色も変化することになるため演出もなかなか凝っていました。序盤ではどんな能力なのか分かりにくいかもしれませんが、ゲームの操作中はオーラをまとう人物の心が読めるという分かりやすいものです。
人の心が読める能力自体はあらゆる作品で使われてきた設定で、多数の人物が登場するアドベンチャーである本作との相性も悪くなかったと思います。しかしシナリオにあまりスリリングな展開はないせいか、あまり面白みを感じませんでした。
使いようによっては強力な能力なだけに初代ライフイズストレンジのように能力を駆使して上手く立ち回っていくようなゲーム性ではないのもやや期待外れです。

退屈なLARP

ストーリー中にはLARPというのノリのいい住人達と町全体でRPGをすることになります。まさかRPGをすることになるとは思わず、今作で一番印象に残ったエピソードです。
内容はコマンドRPGでアイテムや魔法も使用でき、簡単なストーリー性もあります。ライフイズストレンジは超能力も使えますがやることはオブジェクトを調べたり、選択肢を選ぶぐらいで単調だと感じることも多く、こういった試みは意外性もありよかったと思いました。
しかしやっていることは簡素なRPGなせいかそこまで面白いとは思えず、初回プレイでは途中でこんなことより早くストーリーを進展させて欲しいと思い、周回プレイではスキップしたくなるほどで、あまり好きになれないイベントでした。

評価

5 / 10

ボリュームが短めのうえに、マルチエンディングと選択肢による分岐はあるものの大きく展開が変わる事はなく、周回プレイする価値もそこまでないと思いました。これまでのシリーズに比べて物語に引き込まれず、選択肢に頭を悩ませることも少なかったです。
シリーズに順位をつけるなら 1>2>before the storm>True Colorsの順に好きです。
このシリーズも4作目なのでマンネリ気味なところもありますが、音楽の良さは変わらず、グラフィックも向上しているので次回作はもっといい作品になる気がします。