ライブ・ア・ライブ レビュー

ゲームレビュー

全てのシナリオを終えたときのクリア時間は16時間ぐらいです。
switch版だとロード時間はやや長めで少し気になりました。

原作とプレイ感は変わらないリメイク

1994年にSFCで発売されたライブ・ア・ライブのリメイクです。原作は独立した複数の主人公が織りなす物語、SRPGのような独特な戦闘システムが特徴の伝説のRPGです。伝説のRPGは言い過ぎな気はするものの、今でも根強いファンがいるほど発売当時は斬新な作品で、記憶に残るRPGであったことは確かです。
HD-2D化し綺麗になったグラフィックはドット絵ということもあり当時の雰囲気を失ってはいません。初見プレイでも遊びやすいように戦闘はより分かりやすく、難易度も緩和されていました。また目的地もマップに表示されるので行き先が分からなくなることもありません。
ボイスも追加されてはいますが基本的なシステムはほとんど変わっていないので、リメイクというよリマスター作品に近い印象でした。最新のRPGに慣れていると劣るところもありますが、原作をプレイした人も今作から始める新規の人も楽しめる作品になっていると思います。

ボリューム不足だが多彩な物語

プレイする順番は自由に選択でき、それぞれ別の主人公の物語を体験していくことになります。一つ一つの物語にボリュームはそれほどありませんが、時代設定も異なる物語は新鮮な感覚でプレイできました。

シナリオのお気に入り度を5段階で表すと
・原始編   
 言語を持たず会話ができないRPG。それでもキャラの気持ちや、やりたいことも分かるのでプレイに支障はなく遊びやすいです。
・幕末編   
ギミック満載のダンジョンを攻略していくのが特徴。敵との戦闘を避けつつステルスゲームのようにプレイすることもできるのが忍者らしいです。ダンジョンが複雑なのでやや面倒になることも多いです。
・功夫編   
伝承がテーマで、師と3人の弟子の物語。プレイヤー次第で物語の展開が少し変化します。分岐を取りいれているので周回してもいいと思うほどでした。
・西部編   
ちょっとした映画を再現したかのような西部劇。口数の少ないミステリアスな主人公が、街の住人と協力して敵の襲撃に備えることになります。制限時間がある中、街にあるアイテムを拾い集めて罠を張るのは楽しいものがあります。
・現代編   
最強を目指す格闘家が主人公で、ほぼ戦闘のみで構成されたシナリオです。格闘ゲームのように対戦相手も選択することができ、敵の技をラーニングすることもできます。ただ肝心の戦闘があまりやり応えがなく、ボリュームにも不満を感じました。
・近未来編  
超能力で人の心が読める少年。他のシナリオよりも演出が凝っていることもあってリメイクでは見違えるほどの変化を感じます。
・SF編    
ロボットを操作することになり、宇宙船内で起こる事件を解決することになります。今となっては目新しさがありませんが、不気味な雰囲気を感じるシナリオは好きでした。
・中世編   
中世を舞台とした王道RPGですが異色な作品で終盤からの展開は記憶に残ります。しかしこのシナリオをプレイする頃には、戦闘がマンネリ化しシンボルエンカウント式でエンカウントしないのも辛いところです。

SRPGのようなチェッカーバトル

戦闘はチェッカーバトルというSRPGのように盤面を移動してコマンドを行なう変わった戦闘システムです。難易度自体は高くなく、序盤は位置取りや行動順などをそれほど意識せずとも攻略できますが、戦闘のテンポはあまりよくありません。
主人公達の使える技の種類は多く、範囲や効果もそれぞれ異なります。技を覚えるペースは早く、試行錯誤しているときが面白さのピークで、少しずつマンネリしてきました。終盤は厄介な敵も出現し、わざわざ移動して攻撃範囲を確認したり、長めの戦闘演出には少しストレスを感じました。
リメイクにあたってバトルスピードの切り替え、オート戦闘、戦闘演出のスキップなどの機能は欲しかったところです。

評価

6 / 10

リメイクでグラフィックや遊びやすさが向上しても、原作をプレイした頃ほど熱中できませんでした。特にチェッカーバトルがあまり面白いと思えず、現代のゲームに慣れていると不親切に感じてくる部分はあります。また全体のボリュームも意外と少なめで、クリアまで20時間もかかりません。
それでもこの作品はやってみる価値はある作品だと思います。ストーリー自体はどれも一定レベル以上の面白さがあり、独創的なアイデアで溢れています。他のゲームにない体験を得ることができ、当時この作品が支持されたのがよく分かります。