オクトパストラベラーⅡ レビュー

ゲームレビュー

switchでプレイし、クリア時間は55時間、総プレイ時間は80時間以上です。
主人公は盗賊のソローネを選択しました。前作と同じく盗賊は使いやすく、最初に選んだ主人公は終盤までパーティから外せないので、おすすめしておきたい主人公です。

完成度の高い理想的な続編

8人の旅人の物語が描かれるRPGの続編で、舞台はソリスティアという大陸になり、主人公達も一新されています。基本的なシステムは前作をベースにしていますが、多数の追加要素や不満点の改善がされており、続編としての完成度は高めです。
今回も最初に選んだキャラが主人公になり、各地を自由に回り仲間を増やし、8人の物語を進行していくのは同じですが、ストーリーの見せ方は前作を上回っていました。カメラワークや演出が強化されているだけでなく、選択肢による分岐、仲間になったキャラ同士が組んで進めるクロスストーリーも取り入れ、あまり単調さを感じさせません。
それに加えて、今作は主人公に選んだキャラの物語が終わっても、ゲームクリアにならず、独立した8つの物語が収録された作品であった前作とは終盤の展開が大きく異なります。次々に伏線が回収される最終章から、旅の終わりへと向かう過程が素晴らしく、前作を超える傑作だと思いました。

昼と夜の変化で異なるゲームプレイ

新システムの目玉は昼と夜の概念が追加され、時間の経過を待たずともワンタッチですぐに切り替えることができます。景色一つとっても、昼と夜では画面から受ける印象が変わるだけでなく、フィールドコマンドやバトルにも違いを生みます。
NPCに対して行えるフィールドコマンドは、主にクエストの進行やアイテムの回収などに使用するものですが、各キャラ昼と夜で2種類使えるようになりました。時間帯によってNPCの場所が変わったり、夜にしか発生しないイベントもあり、アイテムを取りこぼさずプレイすることは難しめです。
フィールドコマンド自体はキャラによっては戦闘によって技を覚えたりすることもできるため、やりこむほどパーティが強くなっていく楽しさはあるものの、どこにいるか分からないNPCを探すのが面倒に感じることもありました。
戦闘面では夜にしか発動しない有用なアビリティなどがあり、ダンジョンの探索中やボス戦などはほとんど夜にしてプレイすることになりました。これなら昼に強い特性を持ったキャラがいてバランスを取った方がよかった気がします。

水上移動も可能になったフィールド

フィールドは水上をカヌーで移動することができるようになり、物語が進むと船で海も渡ることができるようになりました。水上を移動しないといけない場所には美しい景色と共に宝箱やダンジョンなどがあることも多く、探索しがいがあります。
特に船を手に入れてからの海の旅は、昔のRPGをプレイしているかのような冒険心をくすぐられるものとなっています。海自体はそこまで広大なエリアを移動できるものではないものの、謎の島や船の骸など海ならではのロケーションを発見し訪れるのも楽しいものです。

数は多いが短めのダンジョン

ダンジョンに関してはどれもシンプルな造りでやや物足りなさを感じました。ストーリー中に訪れる必要のないものも含めるとかなりの数のダンジョンが用意されているものの、どれも短めでこれといったギミックもなく味気ないものとなっています。
印象に残ったのは迷路のようなダンジョンと昼と夜の切り替えを活かした洞窟ぐらいです。ほとんどがアイテムを回収してボス戦やイベントをこなすだけで、もう少しやり応えのある大規模なダンジョンなども欲しいところです。
また前作にあった盗賊がいないと開けられない鍵付きの宝箱がなくなったのは良い点ですが、敵とのエンカウント率は相変わらず高めで、エンカウント半減のスキルをつけないと移動にややストレスを感じました。

底力で戦略性が増したバトル

毎ターンたまるBPを使用するブーストと弱点を攻撃してブレイクするコマンドバトルは今作も変わりません。RPGによくあるジョブやアビリティを組み合わせるシステムを搭載し、難しい操作を必要としないターン制なのですぐに理解できるバトルシステムです。
前作との違いは、新しく追加された底力で専用の技が使えるようになり、取れる戦法が増え、戦闘はますます面白くなりました。底力の発動によって強敵との戦闘中に助けられることも多いはずです。またジョブの強さもバランス調整が入り、バトルスピードの変更機能で快適性が向上したのも好印象です。

クリア後、やりこみ要素について

最終パーティ

クリア後はデータを引き継いで周回といったことはできず、ラスボスを倒した後エピローグに向かうまでの間に、未クリアのダンジョンやサブクエスト、装備集めなどやり残したことを消化できます。
終盤になるとメニューからパーティ編成を変更できるようになり、レベリングやフィールドコマンドによるアイテム回収などを行う際も便利になります。この機能に関しては最初からあってもよかった気もしました。
また難易度の高いボスと戦えるサブストーリーも用意されています。前作と似たような流れで挑めるこのサブストーリーは、今回は10連戦はなくなり気軽に挑戦できますが、かなり難しく何度も全滅しました。RPGによくいる裏ボスの中でも強い方で、なかなかやり応えがあるものとなっています。

評価

10 / 10

ドット絵やコマンドバトルに抵抗がないRPG好きなら傑作になりえる作品だと思います。あらゆる面で前作を上回っており、続編としてはほぼ完璧でした。
大きな不満点はなく、面白い作品だっただけにもう少しエンドコンテンツが欲しかったぐらいです。