続編が出る前にswitchのオクトパストラベラーを再プレイしました。
一度クリア済みなのであまり詰まらずプレイしても、クリア時間は30時間ほどで、サブクエストなどをこなすと55時間以上遊べました。
懐かしく、美しいHD-2DのコマンドRPG
オクトパストラベラーは8人の主人公が旅する物語で、ジョブシステムとコマンドバトルを採用しているとてもオーソドックスな造りのRPGです。複数主人公とドットで表現されたグラフィックはどこか昔のRPGのようで、ファイナルファンタジー6やライブアライブなどに近いと思いました。
特徴的なのはグラフィックがドット絵なのにあまり古さを感じさせず、むしろ新鮮味を感じるということです。ドット絵と3DCGの効果を合わせたHD-2Dというグラフィック表現だそうです。
ゲームの流れは大陸を旅しつつ、それぞれのキャラの物語を体験していきます。ロケーションも港町や雪国、砂漠など豊富で、各地で出会う魅力的なキャラクター達も印象深く、この旅が終わって欲しくないと思うほど素晴らしい作品でした。
独立した8人の物語
大陸の各地にいる主人公は復讐、探している物など目的があって旅立つことになります。各主人公4つの章で構成されており、最初の章をクリアするごとに仲間に加入していく流れです。
どの主人公の物語もキャラや設定などは、どこかで見たことがあるような気がするものの、RPGらしさに溢れていて気にいりました。優れているのは物語の分かりやすさで、無駄に多い登場人物や専門用語などでついていけなくなることもありませんでした。8人のキャラをばらばらに少しずつ進めて行く形でプレイしても、エピソード開始前に前回のあらすじを流してくれるためストーリーが把握しやすいです。
またゲーム自体に自由度が高いことから、まずどの地域に行き、誰を仲間にしようか考えるのも面白く、攻略していくルートはプレイヤーによって異なることになるのも面白いと思いました。
シンプルだが戦略性高めのバトル
戦闘はコマンドバトルに弱点を突くブレイクと、攻撃回数や威力を上げるブーストを融合させたバトルシステムです。弱点を探してブレイクを狙っていくことが基本の戦闘になりますが、毎ターンたまっていくBPを使って行うブースト攻撃の使いどころも重要で戦略性も高めです。
特に面白いのがボス戦で弱点を変化させたり、一部の弱点を防いでくることもあり単調になることもありません。強力な攻撃をしてくる前兆があるときは、敵にターンが回ってくる前に早急にブレイクをする必要があるなど緊張感もあります。ちょっとしたミスがパーティを壊滅させることもあるので、弱点の分からない初見の敵は難しく感じました。
ただ弱点を探してブレイクさせないと高ダメージが出ないゲーム性ゆえに、通常戦闘は面倒になりがちでした。そもそもエンカウント率がやや高めで、少し移動しただけで敵と遭遇することが多いです。エンカウントを半減させるアビリティをつけると丁度いいぐらいです。
街巡りを楽しませるフィールドコマンド
8人の主人公はそれぞれフィールドコマンドがあり、街の住人からアイテムを盗んだり、戦闘を行ったりすることもできます。似たようなことができるゲームはよくあるものの、ドット絵なせいか罪悪感は薄めでメインストーリーやサブクエストにもよく使うことになります。
このフィールドコマンドは大量のアイテムを簡単に入手できるため、新しい地域にたどり着くのが楽しみになりました。見かけるNPCのほとんどに実行することができるうえに、低レベルのうちは成功しないため後回しにすることもあり、全てのアイテム回収を取りこぼしなくプレイしだすと面倒になることもあります。それでも一度訪れた街にレベルが上がった頃に再訪する動機になっているところがよく出来ています。
どの主人公も生い立ちや職業に合わせた能力を持っており、戦闘スタイルでも個性を出すことに成功していますが、バランス面は盗賊のテリオンが若干優遇されすぎている気もしました。
テリオンがいないと開けることができない宝箱が多くあり、ダンジョンの深部で宝箱を見つけたときはわざわざ酒場に戻ってテリオンを入れるのも手間がかかります。ゲーム開始時に選んだ主人公はクリアするまでパーティから外せない仕様上、唯一無二の能力を持っているテリオンを主人公に選ぶと使いやすいです。
クリア後も続く旅
エンディングはあっさりしていますが、クリア後に各地を回ってサブクエストを行なったり、強い装備品を手に入れたりするのも楽しめましたし、それなりにボリュームもあります。
終盤になる頃には、ジョブの付け替えもでき、使えるアビリティも増えて、戦闘で出来ることも増えていきます。そして育て上げたパーティを試せるフィニスの門というクリア後のサブクエストも用意されています。
このフィニスの門は8人の主人公全てを育て上げる必要がある総力戦で、高難易度で時間もかかりますがやってよかったと思いました。セーブ禁止の10連戦を失敗するとやり直しという厳しめな仕様で、苦労してクリアした後にはこのゲームを遊び尽くしたような達成感が得られます。
評価
9 / 10
完成度の高い戦闘と良質なストーリーが8人分楽しめて満足でした。
気になったのはストーリーのテキスト量が多いわりにオート再生に対応していなかったり、メニューからパーティ編成できずレベリングやフィールドコマンドの使用に多少の不便さを感じるぐらいです。
昔よくあったようなドットRPGの映像表現を強化しただけではない魅力があり、続編も楽しみな傑作です。