スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE レビュー

ゲームレビュー

PS4のスターオーシャン6をクリアしました。主人公はレティシアでプレイし、クリア時間は40時間以上です。

スターオーシャン5を超える完成度

SFとファンタジーが融合したRPGであるスターオーシャンシリーズのナンバリング新作です。あまり評価の高くなかった前作のスターオーシャン5より大幅に完成度が上がり、シリーズ25周年にふさわしいい良作になっていると思いました。
ストーリー自体は、序盤は中世のRPGらしい世界観でテンポもよく進行していき、中盤からはSF色が強めで登場人物や専門用語も多く、やや難しめです。過去作品をプレイしてなくても問題はありませんでしたが、物語の細部はゲーム内の辞書などで確認しないと分かりにくいです。
このシリーズは個性的な要素が多く、今作では機械生命体DUMAを使ったアクションがフィールド移動や戦闘にも上手く機能していました。その分RPGとしては覚えることは多めで、操作に慣れてくるのも時間がかかるかもしれません。

フィールド探索を快適にするDUMA

今作はRPGには定番の中世の城や村、街などが内部まで丁寧に造られており、後半は近未来的な都市も登場しロケーションは豊富です。どこも広大で似たようなデザインが少なく、新しい場所に到着して探索していくのが楽しみなRPGはひさしぶりでした。
移動に関してはダッシュで快適に動けるだけでなく、新要素のDUMAが探索をサポートしてくれます。DUMAを使った移動は自由に空中を飛び回れるわけではなく、ブーストジャンプといった感じです。宝箱の位置を教えてくれるスキャン機能も備えており、DUMAを使わないと取れない場所に宝箱が配置されていることも多く、探索には時間をかけることも多かったです。
最初はDUMAの操作が難しく、海に落ちたりすることもあったものの特に大きなペナルティもなく、慣れてくると思ったように動かせるためストレスを感じることはありませんでした。他人の家の屋根に飛び乗ったり、街中を飛び回るのは他のRPGにはない感覚で新鮮です。

シームレスな高速バトル

戦闘は敵と遭遇するとシームレスに展開し、とてもスピーディです。戦闘中はAPを消費して行動する形式で、APが続く限りスキルは使い放題です。一般的なRPGのようにMPの概念がなく戦闘終了後に、次の戦闘に備えて回復を挟む必要もほとんどなかったため、とてもテンポのよい作品だと思いました。
DUMAを使ったアクションは戦闘にも上手く活かされていて、敵の視界から外れるブラインドサイドや奇襲を仕掛けるサプライズアタックなど戦闘を優位にするアクションが見栄えもよく、簡単な操作で出せるので、動かしていて爽快感があります。
前作では7人戦闘で何が起きているか把握しにくい面もありましたが、4人編成の戦闘になった今作のほうが画面が見やすくプレイしてて面白いです。

カスタマイズ性は面白いが不便

戦闘前の準備としてアイテムクリエイション、キャラのカスタマイズなどメニューから行えることは多いです。最大8人いるプレイアブルキャラのスキルツリーからスキルを取得して、リンクコンボに組み込んでいき、装備なども考慮していかなければなりません。今作はダブルヒーローシステムを採用していることから、主人公ごとに別行動中は、あまり育成していないキャラをパーティに編成する機会もあり、スキルを覚えていくだけでも大変でした。
様々なスキルを試行錯誤しながら独自のコンボを作る過程を楽しむ人もいれば、初心者のうちはキャラとスキルの多さからどのスキルが有用か分からず、コンボ作成が面倒になることもありそうです。この辺はスキルの自動取得やおすすめのスキルをセットしてくれる機能なんかが欲しかったところです。
また装備品の装着がやや面倒で、店から購入した装備品をダイレクトに装備できずわざわざメニューを開かなければいけなかったり、別行動中のメンバーが合流すると装備品のアクセサリーが外れていて再度装着し直さないといけません。このゲームはアクセサリーの数が多く、アイテム欄から目当ての物を探すのも手間がかかります。
メニュー周りは何かと使いにくさはあるものの、難易度GALAXYモードならなんとなく気に入ったスキルを使用しているだけでもクリアすることは可能だったので、あまり細かくこだわらなくても大丈夫でした。

寄り道要素のソーアが楽しい

従来のシリーズと同じく、プライベートアクションやサブクエストもあり、メインストーリー以外にも遊べる要素はたくさんあります。特に今作から追加されたミニゲームのソーアはなかなか楽しめました。
ソーアは駒を置いていくボードゲームで、ルールが単純でそこまで難しくないことから、とっつきやすいです。対戦に勝利し駒を集めるコレクション要素もあることから、ついやってしまう面白さがあります。ただ対戦相手を探すのが面倒でソーア戦はランクのようなものがあり、ランクを上げないと対戦相手を見つけても対戦することができません。途中から誰がどこにいてどのランクなのか把握できず、これなら街の一箇所に対戦場みたいなのを設けてまとめて管理してくれた方がいいと思いました。
似たようなことはサブクエストにもいえることで、フィールドが広いこともあってクエスト目的のアイテムやモンスターを探すのに苦労しました。マーカーで大体の場所を教えてくれるだけで、ストレスなく遊べただけに残念です。

評価

7 / 10

昔のRPGらしさが残り細かいことで不便だなと感じることは多かったものの、それ以上に良い点がありいい作品だと思いました。特に戦闘はスターオーシャンらしいオリジナリティがあり、探索もする楽しさもあります。
やりこみ要素も豊富でボリュームに不満はありませんが、せっかくのダブルヒーローシステムなのに別主人公で周回する意欲は湧いてきませんでした。周回するにあたってデータを引き継げたり、何かしらの特典がないと、もう一度最初からやり直すには面倒な要素が多いです。