Tell Me Why レビュー

ゲームレビュー

Xbox OneのTell Me Whyをクリアしました。初回のクリア時間は8時間ぐらいで、オブジェクトを隅々まで調べたり、作中の本を読みこんだりするかでプレイ時間は変わってきそうです。
あまり日本のゲームでは見ない作風でやってよかったと思えるゲームでした。

殺人を犯した双子が主人公のアドベンチャー

3つのチャプター形式のアドベンチャーで、母親を殺害する事件を起こした双子のアリソンとタイラーが主人公です。物語は双子が10年振りに再会し、事件の関係者と会ったり、幼少期の記憶を辿っていくうちに事件の真相が明らかになっていきます。
開発元がライフ イズ ストレンジと同じDONTNODということもあってか、ゲームシステムは多数のオブジェクトを調べながら、選択肢で物語の展開が変わるというライフ イズ ストレンジとほぼ同じシステムであり、グラフィックの方向性も少し似ていて綺麗でした。
気になったのはハードがXbox oneということもあり、決定ボタンとキャンセルボタンが逆ですが、複雑な操作を必要としないゲームなのですぐに慣れることができました。また音声が日本語には対応しておらず、日本語字幕のみなので、少し分かりにくいところがあったぐらいです。

どちらの記憶と生きていくのか

タイラーとアリソンは特定の場所で過去の記憶を思い出すことが出来ます。この記憶は映像化され再生することができ、過去に起こった出来事の記憶を双子の間で共有することになります。
面白いと思ったのは、同じ時間と場所で起こったことでもアリソンとタイラーでは記憶が異なることでした。どちらの記憶を選ぶかはプレイヤーに委ねられており、選んだ記憶によって少し物語に変化が生まれます。
選んだ選択によって未来が変わるアドベンチャーはたくさんありますが、記憶から過去の出来事を選択するような作品は見たことがありませんでした。この記憶を思い出す機会は多く、少しずつ事件の真相に近づいていくのがこの作品の最大の魅力だと思います。

双子が持つテレパシー

双子は遠く離れた状態でも心の中で会話することのできるテレパシー能力を持っていますが、これに関してはあってもなくてもどちらでもいい要素だと思いました。
ストーリー中にテレパシー自体使う機会もあまりなく、特にテレパシーに目覚めるきっかけなども深く描写されるわけではなく、淡々としています。
強いて言えば第3者と会話中に、どうすべきか双子間でテレパシーで相談することがあるぐらいで、ゲームプレイにも物語的にも重要視されてはいませんでした。

難解なパズル要素

プレイ中にはパズル要素のあるギミックが多数ありました。どれも難しく感じられ、よく分からなくなることも多かったです。序盤で手に入るゴブリンの本がヒントになり、ちゃんと本を読めば解けるようになっていますが、読みにくく分量も多いため、興味がないと読んでいくのが面倒になってきます。
パズルが解けなくても、一応強引に解決する選択肢もありますが、早く先の展開が見たいのに足止めされる感じがあまり好きになれませんでした。

評価

6 / 10

全3チャプターで、クリアまでのプレイ時間も短めですが、あまりボリューム不足感はありませんでした。新しいチャプターに移行しても、やることは事件の背景を追うだけで、あまり緊張感のある展開やそこまで衝撃的な結末が待っているわけではなく、これ以上プレイ時間が長いと途中で飽きてきそうです。
もう少しパズル要素のある謎解きを減らして、操作キャラが二人いることやテレパシーを使える設定を活かしたゲームプレイの方が好みでした。ちょっとした映画を見ているかのようなゲームで、サスペンスやミステリーが好きな人に合いそうな作品です。