ユニコーンオーバーロード レビュー

ゲームレビュー

PS5版でプレイし、クリア時間45時間ほどでした

人を選ぶ高評価SRPG

ユニコーンオーバーロードはSRPGの中でなかなかの中毒性を持つSRPGです。のめり込むと時間が溶けていく感覚を味わえます。評価の高い作品ですが、割と人を選ぶと思いました。まずは体験版をプレイしてみて合うかどうか判断してみるのがいいかもしれません。
基本的にはフィールドを移動しながら、バトルに勝利して拠点を開放していく流れで、最初から最後までやることはあまり変わりません。しかし攻略していく場所をある程度自由に選べるうえに、飽きさせない工夫が随所に見られるので単調さは感じさせないのがいいと思いました。
マルチエンド式の物語ですが、王道な展開と膨大なキャラがいることもあって、ストーリーは薄く感じるかもしれません。これぐらいシンプルでテンポの良い物語のほうがこの作品には合っている気がします。ストーリーよりもゲーム性に重点を置いた作品です。

拠点制圧バトルについて

戦闘は敵の本拠地を攻め落とせばクリアできる拠点取りです。時間制限のあるRTSで、複数のユニットを管理しながら進行させる必要があり、スキルやアイテム選択中は時間が止まるものの、操作は忙しいと思います。
戦闘シーンは流れるように連撃し、グラフィックも美しいものがあります。この戦闘が人を選ぶ面があり、事前に組み立てた行動による完全なオートバトルです。爽快感はありませんが、作った部隊が上手く機能するのは面白いものがありました。
ステージは当たり外れがあるものの数はかなり用意されています。一戦にかかる時間は短いものからギミックだらけのステージまで多彩でした。メインストーリーの山場では大規模な戦闘もあり、総力戦といった感じでなかなかやり応えもあります。

膨大なキャラで部隊をカスタマイズ

このゲームは部隊ごとにユニットを組み込む形になり、ユニットが多いうえにスキルも多数あることで無数ともいえるほどの組み合わせが生まれます。ユニットごとに特徴が異なり、相性もあることからすべて把握するのが難しいものがありました。
装備品や攻撃が発動する条件まで細かく設定することができるうえに、装備品の付け替えやクラスチェンジなどやることは多いです。ストーリーが進むごとにユニットが加入していくことから、実際の戦闘よりも編成画面での戦闘準備の方が時間がかかるケースもよくありました。
ゲーム自体の難易度は変更できることあってそれほど高くはありません。一部のボスを除いて適当に編成してもなんとかなる緩いバランスなので、そこまで神経質になる必要はなく、気に入ったユニットをなんとなく編成してもクリアまで辿り着けます。

フィールドでできること

フィールドでできることは素材を拾って納品したり仲間との会話イベントを行なったり、部隊の強化に必要な名声ポイントを集めることが目的になってきます。闘技場やミニゲームなどもありますが内容的にはた簡素でよくあるものです。それでもついやってしまうのは自軍が分かりやすく強くなっていき編成の幅が広がっていくからです。
敵に制圧されている町を開放していくと周辺を自由に歩き回れるようになり、一度クリアしたエリアは敵も出現しなくなります。ユニットを配置しておけば素材を自動収集してくれるので、あまり作業的にはなりません。
自由度があるように見えて攻略には推奨レベルがあるため、誰がプレイしてもほとんど似たようなルートを通ることになるのは少し残念ですが、エリアが変わると種族や風景も変わり、先に進みたくなる意欲は高めでした。

評価

7 / 10

戦闘中よりも、育成や編成を考えているときの方が面白みを感じる作品でした。
しかし他は平凡な造りで名作というにはやや物足りなさがありますが、プレイ中はつい長時間遊んでしまいました。
SRPG好きならやる価値はあります。