戦場のヴァルキュリア4をクリアしました。2回目のプレイですがクリアに35時間ほどかかりました。トロコンやDLCもプレイすると70時間以上は遊べて満足のいく作品でした。
据え置きに帰ってきた戦場のヴァルキュリア
初代戦場のヴァルキュリアはPS3で据え置き機だったものの、2作目と3作目は携帯機のPSPで発売されスケールダウンした感じがありましたが、4作目で据え置きに帰ってきてクオリティが大幅に上がっています。携帯機も嫌いではありませんが、ナンバリングの新作は前作を上回る物を求めてしまうので据え置きで発売されたのは嬉しいことです。
ゲームの進行は1作目から変わらず、本をめくりながらストーリーと戦闘を読み進めていきますが、リマスター版の戦場のヴァルキュリアとそこまで変わらない印象だったグラフィックは思ったより綺麗で、ゲーム自体のボリュームも長く遊べるようになっています。
ストーリーは1作目の方が記憶に残り好きでしたが、今作は断章が大幅に追加されて多数のキャラの掘り下げが出来ているのが良かったです。
戦闘面はほぼ完成されていた1作目と大きく変化せず、ゲームバランスも新要素に合わせた微調整にとどまり全体的な難易度はやや易しくなっています。新要素の擲弾兵やシップオーダーなどで取れる戦法が増えたことでSRPGとしての戦略性も上がり、戦闘はシリーズの中でも歴代最高だと思いました。
進化したBLiTZとCANVAS
水彩画が動いているかのようなCANVASというグラフィック表現と独自の戦闘システムBLiTZは他のゲームにはない存在感があります。戦闘の舞台は途中から極寒の地に移り、過酷な環境での戦闘が上手く表現されていて、戦闘フィールドでも氷や雪を使ったギミックが組み込まれていたり、防衛、破壊、殲滅、制圧、捜索とルールも多彩で途中で飽きることなく長くプレイすることができました。
戦闘の難易度は新要素が多数追加されそれほど難しくはなかった印象です。戦車が強いゲームですが行動ポイントであるCPを2消費していたのが1になり、他のユニット同様気軽に動かせるようになりましたが、擲弾兵や対戦車砲が設置されて単騎で突破できないよう対策されています。また直接指揮で複数のユニットを連れたり、戦車に乗せて運ぶこともでき、移動力のないユニットが気が付いたら置いてけぼりということも無くなり、色々なユニットが活躍しやすくなる良い調整です。
巡洋艦センチュリオンからシップオーダーで索敵や攻撃など行うこともでき、最初は強すぎると思いましたが使えないマップも多く、死に間際に行動できるブレイブも狙って発動させるようなものではなく、どれもゲームバランスに悪影響をもたらさず使ってて面白い追加要素であり、戦法にバリエーションが生まれます。
操作感に難あり
メニューからのレベル上げや装備の開発をする度に毎回会話シーンがあり、一括で強化することもできずやや使いにくいです。特に装備の開発はツリー型で数も種類も多く、資金に余裕ができた頃にまとめて開発していると時間もかかりますし、面倒になってきます。
オプションで設定できる項目少なめで、イベントシーンの文字の表示速度は変更できますがオート再生には対応しておらず、キーコンフィグもありません。アクションモードはTPSに近い見た目なので、操作設定を自分好みに細かく設定できるといいと思いました。この辺はすぐに慣れますが、長く遊んでいると気になってくる部分でもあるので、次回作があるなら改善してほしい所です。
クリア後・DLCについて
ストーリークリア後もまだやれることがたくさんあります。真エンディングや戦死したキャラも復活させることができ、HARDやCHALLENGEなどの高難易度のマップも解放されます。レベルの上限が上がり新しい開発も可能になるのは嬉しいところで、経験値や資金の使い道がなくなってゲームに対するやる気が落ちてきたりすることもなく、高難易度のマップに挑むためのレベル上げや戦車などの強化も兼ねて、やり残したことを消化していく作業も苦になりませんでした。
シーズンパスで5つのDLC配信されており、内容は今作と初代戦場のヴァルキュリアをプレイした人へのファンサービス的な感じで、クリアするとユニットや衣装が手に入ります。加入する戦場のヴァルキュリア1作目の主人公は性能は控えめで戦車も改造できず、敵キャラもやや使い勝手が悪くあまり使用しませんでした。
どれも発売当初は内容の割にDLCの価格は高めだと思いましたが、現在は5つセットで価格(税別)は1350円でこの内容なら安いと思います。DLCの中でもHARD-EXの戦闘は、何度かリトライしましたが、これまでプレイしてきた戦法と育て上げたユニットを駆使して戦う戦場は面白くこれだけでも購入する価値はありました。このゲームを少しでも気に入った人はDLCを購入した方がより楽しめると思います。
評価
9 / 10
斬新なゲームだった初代戦場のヴァルキュリアをプレイしたときの衝撃はなく、ストーリーやキャラクターの魅力もやや劣っていると感じましたが、戦闘の面白さとゲームのボリューム面は今作が上回っていました。
他のSRPGにはない独自性を持っているゲームなので、今後もこの方向性のままシリーズが続いて欲しいと願う良作です。